2023.04.02
目次
eラーニングはIT技術の発展に伴い、多くの企業で使われるようになりました。そして、コロナ禍を経て、さらに急速に普及が進んでいます。
その中で、特にeラーニングの活用が進んでいる業界をご存じですか?
それは、看護・介護の業界です。
意外に思われた方もいるのではないでしょうか。
今回は、なぜeラーニングは看護・介護の業界で活用されているのか。
その理由を考えていきたいと思います。
まず、看護・介護業界の特徴について見ていきましょう。
みなさんもご存じの通り、現在の日本では少子高齢化が進んでおり、令和3年における65歳以上の人口は、総人口の約3割になりました。そして、その割合は今後も増え続けることが予想されています。
高齢者化社会が進むに従い、看護・介護のサービスは多様化し、そこで働く従事者の数も増えることが考えられます。
しかし、訪問看護や介護の現場では人手が不足しており、その解消が課題と言えるでしょう。
それでは次に、なぜ看護・介護の業界ではeラーニングの活用が進んでいるのでしょうか。
看護・介護の現場にeラーニングが最適な理由はいくつかあります。
順番に見ていきましょう。
看護師や介護士が働く職場では、夜勤や早番があることも珍しくありません。
また、土曜日・日曜日・祝日が休みではない介護施設もあります。
病院勤務の看護師であれば、急患が入り、急に忙しくなったり残業したりすることも。
このように、毎日多忙で、勉強をしようとしても、まとまった時間を取るのが難しいのです。
しかし、eラーニングであれば、すきま時間を利用して勉強することができます。
例えば、休憩時間や移動時間を利用して、スマホで動画を見るなど、効率的に時間を使い、学ぶことができます。
看護・介護の現場では、コロナ対策が徹底されています。
そのため、大勢が一度に集まる集合型の研修を避けている施設や病院も少なくありません。
そして、たとえコロナの流行が落ち着いたとしても、一般企業のように対策の緩和を進めるのは難しいでしょう。
非対面で研修が受けられるeラーニングは今後も活用され続けると考えられます。
例えば、器具の扱い方や介助の仕方。これらは、文章やイラストで説明されても、具体的にイメージすることは難しいです。特に、始めて仕事に就く新人には理解ができないでしょう。その点、実際の作業を録画した動画であれば、理解がしやすくなります。
もちろんOJTで学ぶこともできますが、教育する側に負担がかかります。
ただでさえ忙しいところに、新人の教育も業務に加わえるのは避けたいところです。
また、「教える」というのは、簡単なように思えて、とても技術がいることです。
誰も認めるスキルを持った人でも、コミュニケーションを取るのが苦手だと上手く教えることができなかったりしますよね。
例えば、教えるのが上手い先輩と下手な先輩。二人にそれぞれ別の新人がOJTで付いたとします。二人の新人の技術にはきっと差が出てしまうでしょう。
eラーニングの動画であれば、誰もが同じ教育を受けることができるため、そのような事態を避けることができます。
看護・介護の業界の技術は、日進月歩の進化をしています。
例えば、看護師が携わる医療業界では、新しい治療法や新薬が日々開発されています。
また、介護業界でも、新技術として、介護ロボットが話題になっていますね。
しかし、介護ロボットを導入したところで、扱える人材がいなければ意味がありません。
このように、新しい技術がどんどん出てくる看護・介護の業界では、日々の勉強が欠かせません。そのため、eラーニングはもとより、研修や講習が多く行われているのです。
「看護・介護業界の特徴」の章でも述べましたが、看護・介護の業界のサービスは多様化しています。それに伴い、看護・介護業界には、多様な資格があります。
資格とは、看護師、介護福祉士などの国家資格だけではありません。
国家資格の他にも「認定資格」と呼ばれる、公的機関や職能団体などが定める資格をご存知でしょうか?
例えば、看護の分野ですと、「終末期ケア専門士」や「不妊カウンセラー」「禁煙支援士」など、様々なものがあります。
介護の分野の場合、「レクリエーション介護士」「介護予防運動指導員」「ガイドヘルパー」などなど。
今挙げた例はほんの一部で、もっとたくさんの認定資格が存在します。
これらの資格取得のために、eラーニングが使われることも珍しくはありません。
ここまで、看護・介護の業界でeラーニングが多く活用されている理由を挙げてきました。
さて、eラーニングの導入が進んでいる看護・介護の業界ですが、課題もあります。
次は、看護・介護業界でのeラーニングにおける課題を挙げ、解決方法を考えていきましょう。
先ほど述べた通り、看護・介護の現場は多忙です。
受講者がすきま時間を利用してeラーニングを受けるくらいですから、教材動画やテストを作る時間が無いのは想像ができます。また、eラーニングのコースを作るには、コンテンツの作成だけでなく、コースの構成を検討したり、資料を作ったり……。その他、様々な作業をこなさなくてはなりません。
そのため、研修やeラーニングの担当者が本来の看護師・介護士の業務をこなしながら、片手間で作成するのには無理があります。
コロナ禍以降、Zoomなどを使ったオンラインでの研修が増えています。
リアルタイムでの受講もありますが、オンライン研修の録画をeラーニングとして配信することも多々あります。
このとき、録画をそのままeラーニングとして活用するケースが多いのですが、それには問題もあります。
例えば、オンラインの研修では、ネットワークやマイクのトラブルなどで、待機時間ができることがあります。
講師のwifiの調子が悪く、「繋ぎ直すので少々お待ち下さい」と言われ、1、2分空白の時間ができる。皆さんも経験あるのではないでしょうか?
録画をそのままの状態で配信すると、そんなトラブルの場面まで入ってしまいます。
受講者は集中が切れてしまいますね。
①でeラーニング担当者にコースを作る時間がないことを述べました。
しかし、たとえ担当者が動画やテストを作れたとして、それが効果的な教材になるとは限りません。
例えば、動画の場合、長すぎれば受講者は飽きてしまうし、逆に短すぎては内容が伝わりません。また、画面に動きがないと受講者の集中力は切れてしまいす。
効果的な教材には、分かりやすさに加え、飽きさせないようにする工夫が欠かせません。
このように、看護・介護の業界におけるeラーニング活用のメリットは多くありますが、課題も多くあります。
では、どうしたらよいのでしょうか。
ここでお勧めしたいのが、プロへの発注です。
例えば、eラーニング用の動画を外注しようとした場合、どこに依頼するのがよいのでしょうか?
eラーニング用の動画を作りたい場合、動画制作会社へ依頼するのも一つの方法です。
動画制作会社に依頼すれば、とてもクオリティの高い動画ができることでしょう。
しかし、動画制作会社は見栄えの良い動画を作ることは得意ですが、「学習効果の高い」動画を作るプロではありません。
どんなに素敵な動画でも、教えたい内容が頭に入ってこなければeラーニングとして意味がありません。
また、動画制作会社は、動画の作成はできますが、動画を基にしたテストを作ることはできません。
その点、ITBeeは、eラーニングコース制作のプロ集団です。
どのように作れば受講者の学習効果を高められるか、長年の経験と確かなノウハウがあります。
また、動画だけでなく、ダウンロード資料やテストの作成などの実績も多くあります。
ここまで読んでいただき、「あれ、その理由や課題って、看護・介護業界に限らないのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。その通りです。先ほど挙げた理由は、看護・介護以外の業界にも当てはまります。
例えば、「なぜ看護・介護にeラーニングが多く活用されているのか」で紹介した「従業員が自分のペースで受講できる」や「対面での研修が受けられない」は、飲食業などにも当てはまることでしょう。
また、「多様な資格がある」はIT業界にも言えます。
そして、課題の章で紹介した「コースを作る時間がない」「効果的なコンテンツが作れない」はほとんどの業界に当てはまるのではないでしょうか。
社内向けeラーニング導入や構築に必要なeラーニングシステム(LMS)とは?
高齢化社会、コロナ禍を背景に看護・介護の業界ではeラーニングの活用が進んでいます。
そして、介護・看護の業界におけるeラーニング活用の理由・課題はその他の業界や多くの企業様に参考になるのではないでしょうか。
これまでに述べた課題を参考にしていただき、eラーニングをうまく活用するために、そして効率よく効果的な学習のために、eラーニングのコンテンツを外注してみてはいかがでしょうか。
その際には、eラーニングのプロ集団であるITBeeがお力になります。