2023.08.17
目次
インターネットを利用したオンライン学習、eラーニング。
利用できるデジタルデバイスも多種にわたり、「いつでも・どこでも・誰もが同じ内容で学習ができる」というそのスタイルは、今や人材育成・組織課題解決のための主力のツールとなってきています。
今回はそんなeラーニングの受講スタイルや対応デバイスをご紹介。
どのような受講スタイルがあるのかがわかると、導入後の学習プランもイメージしやすくなります。受講者それぞれのワークスタイル、ライフスタイルに合った学び方を進めていくためにも、教育担当者として把握しておきましょう。
早速ですが、eラーニングの受講スタイルは大きく3パターンに分けられます。
そしてこれらを受講できる代表的な対応デバイスは以下の通りです。
みなさんもご存知のiPhone、Android、iPadなどになります。
これらは、受講者自身が用意するパターンと、企業側が用意し配布するパターンとがありますが、受講者全員に端末を準備することは費用面でも管理者側の負担になります。
もちろん、デバイスを何も持っていない受講者であれば一から購入の負担も。
そこで今回の本題でもある、スマートフォンでも使えるのか?の部分にフォーカスしたいのですが
まず、答えとしてはYesです。
現在ほとんどのeラーニングシステムはスマートフォンに対応していて、スキマ時間を見つけて気軽に受講できる環境が整っています。
スマートフォンであれば所有している人が大半であり、それを活用できれば企業や学校側が費用を負担せずに済み、受講者側としても自前のもので受講できることでeラーニングのためだけに端末の準備をする、ということを防ぐことができます。
とはいえ、eラーニングをスマートフォンで受講するにはメリットと注意点があることも確か。
個人のスマートフォンを使用するのであれば、ネットワーク環境の構築や、セキュリティ面にも気を付けなければなりません。
また、人事部や研修管理部門である教育担当者の方々としては、スマートフォンやタブレットでも十分な学習効果が得られるのかという点も気になるところでしょう。
スマートフォンでの受講を進めていくのであれば、それらの点も周知しておく必要がある為、次項ではスマートフォンで受講するメリットや注意点などをご紹介します。
eラーニングをスマホで受講する主なメリットは以下の4点です。
スマートフォンでeラーニングを使えれば、パソコンより手軽にいつでもどこでも受講可能になります。仕事の待機時間などのスキマ時間を活用して受講する事も可能な為、反復学習もしやすく、資格勉強などにも最適です。
時間や場所の制約が少なくなると、研修機会の拡大及び受講率アップが期待できます。
eラーニングシステムの中には、講師や他の受講者とコミュニケーションが取れる機能を備えている製品もあります。常に持ち歩いているスマートフォンでコミュニケーション機能が使えると、パソコンから連絡するよりも気軽に講師や他の受講者と連絡できます。
パソコンよりも簡単で、扱える人が多い点もスマホ学習のメリットです。スマートフォンは幅広い世代で使い慣れているため、操作にあまり悩むことなく、スムーズに学習を進められます。
また、パソコンを使う機会の少ないデスクワーク以外の職場では、受講人数分のパソコンがそろっていないケースが多く、なかなか受講できません。スマートフォンでeラーニングを利用できる場合は、パソコンの空きを待つ必要はなく、自分のペースで受講できます。
小売店や飲食業のような現場スタッフは、シフトが合わず集合研修に参加しにくいという傾向にあります。全国にチェーン店を持つ企業の場合、アルバイトやパートの教育用に紙の資料を送付するケースがありますが、資料を読んだかどうかも確認できません。
スマートフォンでeラーニングを受講できれば、時間や場所に縛られることなく、従業員のペースに合わせて学習を進められます。会社側も、受講者全員の進捗状況を確認し、進捗の悪い従業員に対してピンポイントでフォローすることも可能です。
このように、eラーニングをスマートフォンで受講すれば多くのメリットがありますが
それと同時に注意点においても確認しておきましょう。
使用する教材は、通信速度も画面のサイズも異なる複数のデバイスで同等の教材を配信できなければなりません。また、テキスト以外にスライド資料、動画コンテンツなどがあり、種類が増えるほどそれぞれにスマートフォンによる受講に最適な教材制作が必要となります。
教材の最適化についてどのように対策をするか検討し、予算やスケジュールを確保するよう進めましょう。
マルチデバイス対応のシステムであれば、どの端末でも受講は可能なのですが、端末自体の機種やバージョン、使用するブラウザによっては利用できない場合もあります。また、OSやブラウザのバージョンアップにより、コースが動かなくなってしまう・・ということも。 受講者が問題なく受講できるかどうか、動作環境については必ず事前に確認を行いましょう。
会社側が全従業員にデバイスを配布している場合はeラーニングの導入も問題ありません。
しかし、従業員の個人端末を利用する運用を考える場合は、従業員の端末にMDM(Mobile Device Management)の導入などのセキュリティ対策を行う必要があります。
MDMとはモバイルデバイス管理の略で、従業員のモバイルデバイスの設定などを管理部門で一元管理するツールです。
eラーニングで利用する教材も企業の機密情報を含む場合が多々あるため、セキュリティ対策の導入を検討しましょう。
外出先での受講環境については、スマートフォンに限らずすべてのデバイスにおいて注意が必要です。eラーニングには多くの通信量が必要になるためWi-fi接続を推奨しますが、外出先で受講する場合、無料のフリーWi-fiの接続は、受講内容や機密情報を抜き取られる可能性がある為、控えた方が良いでしょう。
また、対面式などの双方向授業では発言のできる場所で受講したり、オンデマンド配信を視聴するだけでも、デバイスの画面にのぞき見防止シートなどの措置をするか、設置がなされていない場合は個室等での受講を検討しましょう。
このように、スマートフォンのおかげで更に場所や時間を問わず学習ができるようになったとしても、受講する場所は考えなければなりません。
これらの注意点を考慮し、必要に応じて自社に合った対策を検討し、受講者に周知しましょう。
続いて、これまでのメリットや注意点を考慮した上で、スマートフォン受講に向いているコンテンツと、教材によってはスマートフォンでの受講が向いていないコンテンツもあるため、事前に確認しておきましょう。
視聴することで学習をインプットする内容であれば、通勤中などの移動時間や食事の間も動画を流したまま、「ながら受講」のできるスマートフォンの方が効率的に受講できます。また、動画を視聴しながらパソコンでの実践作業を要するコンテンツであれば、パソコン上に動画画面があると作業がしづらくなる為、eラーニング動画はスマートフォンで、作業はパソコンでといったように併用して行うことがお勧めです。
スマートフォンは画面の表示サイズが小さいが故に、多くの情報を画面に表示したい講座や、受講した内容を基に作業を行う実践型などにはお勧めできません。
例えば、プログラミングの実践教育をスマートフォンで行おうとすると、画面サイズなどの制約があったり、文字も見づらくなったりと、あまり効果が見込めない傾向にある為、情報を多く表示できるパソコンをお勧めします。
また、作業を行うことも、タイピングのできるパソコンで作業をする方が、断然効率的、効果的です。
スマートフォンで十分な学習効果を得るためには、これらのポイントも抑えて受講するコンテンツを選択しましょう。
それではさいごに一番重要な、スマートフォン対応のeラーニングシステムを選ぶ際に確認すべき点についてみていきましょう。
こちらの内容も、スマートフォン対応のみでなくすべてのeラーニングシステムにいえることもありますが、製品によって強み・弱みに違いがあるため、自社に合った製品を選べるようポイントをおさえましょう。
製品提供会社側が用意する教材コンテンツがあるかどうかを確認しましょう。
その中でも
これらは、特にチェックが必要です。
多くのeラーニングシステムは、教材コンテンツを新規作成する機能や、既存の教材ファイルを取り込んで教材として利用できる仕組みを提供しています。
その為
以上2点も要チェックしましょう。
eラーニング事業者によっては教材コンテンツの制作サービスを提供しているところもあり、ITBeeもその企業のひとつです。eラーニング導入に際し内部コストや内部作業工数をできる限り節約したい場合、また、よりスマーとフォンに適したコンテンツをプロの制作会社に任せたい場合は、このようなサービスを活用することも検討しましょう。
それぞれの立場での使いやすさも重要な比較ポイントです。受講者が利用する画面の操作性が悪いと、受講率に大きく影響します。 また、講師や管理者の使う画面は、スマートフォン対応よりも、パソコン画面の操作性とあわせて一覧画面の視認性を重要視してください。 受講者の進捗状況を確認し、フォローしやすい画面設計になっていると、講師や管理者の管理業務も効率化できます。
eラーニングシステムの多くは進捗管理機能を備えています。 しかし、受講が進んでいない受講者へのフォローや、受講期間を知らせるメッセージなどを通知する機能があるかどうかは製品により異なる為、確認しましょう。一斉通知のしやすい製品なら使い勝手はかなりいいでしょう。
eラーニングシステムの費用対効果は、単純に月額料金を比較するだけでは決められません。 製品で提供する教材コンテンツの量や品質、通信量による課金があるかどうかも比較ポイントです。 自社の必要とする機能や教材がそろっていることを確認し、オプションや教材作成サービスの利用料金なども確認して総コストを算出・比較しましょう。
自社の受講者数を精査して、その人数に対応できる製品を選びましょう。受講者数には、アカウント数の場合と、同時接続人数の場合があるため、両方を調査してから製品を選ぶことも重要です。
システムを選ぶ際のポイントの更に詳しい内容については
【企業・法人向け】資格学習や社内研修で使えるeラーニング『教材』とは?
でもご紹介しているのでご参考ください。
今回はeラーニングの受講スタイルから、対応デバイスの中でもスマートフォン受講に着目してお伝えしました。受講者のワークスタイル、ライフスタイルを考慮した、柔軟で効率的なeラーニング運用を目指し、受講者が積極的に学習に取り組めるよう、教育担当者一丸となってフォローしていきましょう。