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eラーニングを使用した効果的なテストの作成方法を紹介

2023.08.28 更新日: 2024.10.08

はじめに

eラーニングの受講スタイル

「テスト」と聞くと、みなさんは学生時代のことを思い出すのではないでしょうか。
中間テストに期末テスト。苦い思い出のある方もいるかもしれません。

eラーニングの受講者の中には「社会人になってまでテストを受けさせられるなんて……」とネガティブに感じる方もいるかもしれません。ですが、効果的なeラーニングにするために、「テスト」は重要な役割を果たす機能です。
受講者の理解度をチェックするために実施するのはもちろんですが、その他にも様々な活用方法があります。

そして、テストの使い方次第で学習効果を高めることもできます。
今回はeラーニングにおける「テスト」の特徴や使い方を踏まえ、効果的なテストの作成方法をご紹介いたします。
ぜひ、学習効果の高いeラーニングにするためにお役立てください。

eラーニングにおけるテストの使い方

eラーニングの受講スタイル

まず、eラーニングでのテストの使い方をご紹介いたします。

この「使い方」は大きく2つに分けることができます。
一つ目は、「受講者の理解度やレベルを測る」使い方。これはeラーニングに限らず、よくあるテストの使い方ですよね。
二つ目は、「学習方式としてのテスト」です。こちらは聞きなれない方も多い使い方ではないでしょうか。
これは、テスト自体が受講者の「学び」に直接影響を与えるものです。

この「使い方」による違いを意識してテストを作るのは、学習効果を高めるために大切なことです。

まずは、「受講者の理解度やレベルを測る」使い方をご紹介します。

①復習

ただ資料を読んだだけ、動画を見ただけで研修の内容を完璧に理解できれば、言うことはありません。

しかし、それだけでは頭に入っていなかったり、すぐに忘れてしまうこともあります。
みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。

そこで、資料や動画の後にテストを設定し、受講者が学習した内容を思い出しながらテストを受けることで、復習になります。

②試験

eラーニングの主な使用方法の一つに資格試験があります。

動画や資料で講義内容を学ばせ、最後に試験を受けさせるような流れです。
eラーニングでは、その場での採点もできるため、受講者もその場で合否の判定を受けることができます。

③事前テスト

あまり聞いたことのないテストかもしれません。

「事前テスト」とは、資料や動画を見てもらう前に行うテストのことです。
これは、受講者に事前にテストを受けてもらい、その時点の学力を確認する用途で行うものです。

その結果を基に受講者の学力に合わせた資料や動画を設定すれば、受講者のレベルに合ったeラーニングにすることができます。
また、「事前テスト」だけでなく、資料や動画の後に①の「復習」のテストを実施してみましょう。受講者は事前に受けたテストの結果と、後に受けたテストの結果を比べ、自身の成長を実感することができます。

④チェックポイント(関所)の役割

1つのコースの中に章がいくつもあり、1章ずつ順番に学習する場合、1つの章をある程度理解してから次の章に進んでもらいたいですよね。

このように、一つ一つ着実に理解してもらってから次に進ませたい場合は、各章の最後にテストを「チェックポイント(関所)」として設置することをお勧めします。
1章の最後に章末テストを設定し、そのテストで合格点を取らない限りは、次の2章へ進むことができないようにする……そのような設定が、例えば弊社のeラーニングシステムでは可能です。

ここまでが、先ほどご紹介した「受講者の理解度やレベルを測る」テストの使い方です。
ここからは、二つ目の「学習方式としてのテスト」をご紹介いたします。

⑤学習のメリハリ

たくさんの動画や、ただ読むだけの資料が続くと、eラーニングは単調になりがちです。
対面学習と違い、講師や一緒に受講する仲間との会話もありません。

ただもくもくと学習を続けるのは、受講者にとって苦痛になることがあります。
そこで、受講者にちょっとしたアクションをさせることにより、学習にメリハリ与えることができます。
テストは、この「アクション」にぴったりです。
資料や動画などの学習と比べ、テストは受講者自身が頭を働かせ、考えることができます。

ここで、1点注意していただきたいのは、テストの難易度です。
学習のメリハリを目的としたテストの場合、あまり難しすぎると受講者のやる気をなくしてしまう可能性があります。これでは、逆効果になりかねません。
問題文の文字数を減らす、選択肢の数を減らす、問題数自体を少なくする、などの工夫をして受講者がなるべく簡単に答えられるようにしましょう。
クイズのような簡単なテストでも、受講者の眠くなってしまった頭を起こすのには十分です。

⑥学習コンテンツとしてのテスト

これは、「テスト」を受けながら学習するスタイルのことです。

例えば、こちらのテストをご覧ください。
「あなたはチームを率いるリーダーです。ある日、あなたは部下から『ある同僚からパワハラされている』と相談されました。さて、あなたはどのような対応をしますか?次の選択肢から選びなさい」
そして、次の3つの選択肢があります。

「1.大ごとにしたくないので、しばらく様子を見る」「2.パワハラをしたとされる同僚をすぐに移動させる」「3.迅速に事実関係の調査を行う」
このようなテストを、動画や資料を見せずに受けてもらいます。
受講者は、「もし自分が管理者の立場だったらどうするかな?」と考えますよね。
さらに、テストの受講後に、事例について詳しく説明した「解説」を読ませます。そうすることで、受講者は、まずは「自分で正解を考え」、次に「解説で理解を深める」ことができます。

以上が「学習方式としてのテスト」でした。
「⑤学習のメリハリ」は、受講者にアクションを起こさせることで、集中力を保たせ、「⑥学習コンテンツとしてのテスト」はテストを受けながら学ぶ。
⑤⑥の両方とも、テスト自体が受講者の学習そのものに影響を与えています。

学習効果の高いテストにするための工夫

学習効果の高いテストにするための工夫

ここまで、eラーニングのテストの使い方についてご紹介してきました。

eラーニングにおけるテストの特徴についてお分かりいただけたでしょうか。
ここからは、より効果的なテストにするためにどのような工夫をしたらよいかを紹介していきます。

ポイントは、先ほど説明した「受講者の理解度やレベルを測るテスト」と「学習方式としてのテスト」を意識して工夫をすることです。

なぜなら、この「工夫」もテストの使い方によっては、逆効果になってしまう可能性があるからです。

①設問をランダムにする

テストに合格点を設けた場合、不合格になった受講者は再テストを受けることになります。

もし、ランダムの設定をしなければ、常に同じ順番で設問が表示されてしまいます。そのため、何度もテストを受けているうちに、内容を理解していなくても、答えだけ覚えてしまうことがあります。特に○×形式や択一形式だと答えを覚えやすいでしょう。

これではテストが復習として上手く機能しません。
設問をランダムにすることで、受講者は答えを覚えにくくなり、きちんと復習することができます。
管理者の立場からすると、内容を理解せずに合格してしまう受講者が減ることにより、より正確な理解度を測ることができますね。

②選択肢をランダムにする

①の「設問をランダムにする」はテストが出題される順番をランダムにする設定でした。
「選択肢をランダムにする」とは、再テスト時に選択肢の順番を変えることです。
①の「設問をランダムにする」と合わせて使うと、より学習効果が高めることができます。

ここまでの「①設問をランダムにする」と「②設問をランダムにする」は「受講者の理解度やレベルを測るテスト」で使っていただきたい工夫です。言い換えると、「学習方式としてのテスト」では逆効果になりかねない工夫です。

「eラーニングにおけるテストの使い方」の「⑤学習のメリハリ」でも少し触れましたが、難しすぎるテストは、受講者のやる気をなくしかねません。また、「学習のコンテンツとしてのテスト」は、そもそも合格点を設定したりし、受講者をふるいにかけることはしません。そのため、設問・選択肢のランダム設定もする必要がありません。

ここからは、「eラーニングにおけるテストの使い方」で紹介したすべてのテストで使用していただきたい工夫です。

③データを分析する

eラーニングでは、テストの点数や合格までにかかった回数など、様々なデータを簡単に集計することができます。

このデータを上手く利用すると、より効果的なeラーニングを作ることができます。

例えば、ほとんどの受講者が1回でほぼ満点を取っていた場合、そのテストは簡単だったことが分かります。
逆に、多くの受講者が1回で合格できず、点数も低かった場合、はテストが難しすぎたことになります。
もしくは、動画や資料が分かりにくかったのかもしれません。
このようにテスト結果のデータを生かし、次にeラーニングコースを作成する際に、問題の難易度を変えてみたり、動画や資料を分かりやすくなるように手直ししてみるといいでしょう。

④画像や図を入れる

テスト問題が文章のみの場合、淡々と文字だけを読むことになり、何となく単調になってしまいがちです。
そんなとき、画像や図を入れたテストを挟むと、テストにメリハリが生まれます。
ぜひ動画や資料で出てきた図表を使ってテストを作ってみてください。

⑤解説を入れる

ただテストを受けるだけでも復習にはなりますが、より確実に復習させたければ、解説を入れることをお勧めします。
間違えた設問の解説を重点的に読ませ、きちんと復習してもらいましょう。
また、SpeedLMSでは、「合格した受講者にのみに解説を見せる」か「不合格者にも再テストを受ける前に解説を見せる」を選んで設定することができます。
テストの難易度や目的に合わせて設定を変えてみてください。

テスト作成の難しい点

テスト作成の難しい点

さて、ここまでeラーニングにおけるテストの活用方法、学習効果を高める工夫を紹介してきました。
しかし、いざテストを作ってみようとすると「なんだか思ったよりも難しいな」と感じてしまう方もいるかもしれません。
難しく感じてしまうのには理由があります。

その理由とは、「受講内容を完璧に理解していないと、テストが作れない」ことです。
問題文の内容や回答に間違いが無いようにすることはもちろんですが、それに加え、大事な点や間違いやすい箇所などを理解しているかが、良いテストを作成するポイントになります。
そのため、受講内容に精通している人以外がテストを作るのはとても難しいのです。

例えば、復習としてテストを行う場合、学習効果の高いテストにするためには、受講内容の重要な点に絞ってテストを出題する必要があります。また、間違えやすい点などをひっかけ問題にしたりもします。
動画、資料を作成した人物なら、内容にも詳しく、このようなポイントを押さえることも簡単にできるでしょう。

しかし、それ以外の人がテストを作る場合、まずは資料の読み込みから始めなくてはいけません。

さらに、内容に精通した人物であっても、テストを作成するのが難しいこともあります。

それは、テストは用途によって、難易度を調整する必要があるからです。
「eラーニングにおけるテストの使い方 ⑤学習のメリハリ」でも少し触れましたね。
受講者にアクションをさせることが目的の場合、難しすぎるテストは逆効果になることを説明しました。

他にも、大学の入学試験のように、受講者をふるいにかけたい場合は、設問の難易度を上げ、合格点も高めに設定する必要があります。

一方、社内のコンプライアンス教育、情報セキュリティ教育などは、基本的なことさえ押さえてもらえれば良く、実施側としても全員に合格してもらいたい意図があります。この場合、難易度が高すぎる設問は望ましくありません。だからといって、簡単にしすぎてもテストの意味を成さなくなります。

また、もしも「事前テスト」が難しすぎたらどうでしょうか。受講者はその時点でやる気を失ってしまうかもしれません。
つまり、eラーニングの目的、学習内容の難易度、受講者のレベル感などを考慮し、適切な難易度で作問を行うのが理想なのです。
それに加え、内容に精通した人物やその知識のプロであっても、「文章を分かりやすく伝えるプロ」というわけではありません。

テスト問題や解説では、なるべく簡潔な文章で誤解のないように受講者に伝わるようにしなくてはいけません。これは意外と難しいことです。
皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか。例えば、メールを受け取ったときに、意味が分かりにくいな。と悩んだりしたことはありませんか?逆に、自分がメールの文面を書いていて、何が正しい日本語か分からなくなってしまったり……。

このように、本当に受講者のためになるテストを作成するのには、かなりのテクニックやコツが必要なことがわかります。

テストを外注してみる

テストを外注してみる

そこで、みなさんに試していただきたいのが、テストの外注です。

「eラーニングコンテンツの外注」と聞くと、動画をイメージする方が多いと思いますが、外注できるのは動画だけではありません。eラーニングにのせるコンテンツの多くは外注することが可能です。
動画に関しては、様々な会社が作成を行っていますが、テストとなるとどうでしょうか。
おそらく、テストを作成している業者は限られてくるでしょう。

我々ITBeeはeラーニング専門の会社として、多くの企業様のコンテンツを作成してきた実績があります。

その中には、動画だけでなく、もちろんテストも含まれています。

ITBeeでは、お客様から提供いただいた資料を読み込み、内容を理解し、大事なポイントを押さえてテストを作成しています。
「でも、いくらかかるか分からないし…」「専門的な内容だけど、できるのかな…」と迷われた方は、ぜひ一度お問い合わせください!テスト作成の経験豊富なディレクターがご相談に乗らせていただきます。

おわりに

おわりに

今回は、eラーニングを使用した効果的なテストの作成方法をご紹介いたしました。
eラーニングにおけるテストの特徴、作成方法についてご理解いただけましたでしょうか。

最後に、テストの外注についてご紹介しました。
もちろん、内製するのと比べ、費用はかかってしまいます。
しかし、少し考えてみてください。多くの時間と労力をかけてテストを作成するよりは、外注する方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。
一度検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

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